皆さんから寄せられたメッセージ
誰も知らないを観て
2005年1月30日 二宮佐和子


先日、家の近くの小さな映画館で『誰も知らない』を観ました。いろんな感情がごたまぜになり、なんとも言葉に言い表せない想いが自分の中を巡っていましたが、きちんと自分の中で整理をして何を感じたのかはっきりさせたく思い、またこの映画のことを多くの人に観てもらいと思ったので、感想文を書き、自分のウェブサイトに掲載しました。
ここにメッセージを投稿できるページがあり、監督始めスタッフの方々に読んでいただきたく思い、投稿させていただくことにしました。
長文ですが、よろしかったらご覧下さい。
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『誰も知らない』を観て

『誰も知らない』は苦しくも優しい映画だった。実際に起きた「西巣鴨事件」はとても辛い事件だ。
母親に取り残された子供達はどんなに悲しかっただろう。本来注がれるべき愛情は十分でなく、心の中でどんなに求めても母親は遠くに行くばかり。それでも子供達は母親のことが大好きで、いつもどこかで信じている。 生活の中で母親の存在が欠けてしまった子供達は4人で生活を続けていく。
苦しく貧しい生活でも、4人離れて暮らすのは嫌だからと明は言う。 母親からの送金も滞り、水道、電気、ガスなどが止められ、次第に生活も厳しくなっていくが子供達の顔から笑顔が消えることはない。
公園で洗濯をし、頭を洗う。道ばたに咲いた草花の種を持ち帰り、カップラーメンの容器に土を入れ、公園からくんできた水をやり、ベランダを緑でいっぱいにする。どれも自然に行い、子供達は相変わらずキラキラしている。

本当の幸せとはなんだろう。本当の豊かさとは。
父親の存在は完璧に欠落し、ほんの小さな一筋の光りを頼りに母親の愛を信じている。
一番下のゆきが死んだとき、明はゆきを自分の父親が働く羽田空港付近の飛行機のよく見える空き地に埋めた。
子供達はおそらく父親からの愛情を感じたことはない。父親に会ったことがあるかもさだかではない。
でも、明のとった行動は、自分が生まれてこうして生きていることに関しての本能的な何かがそうさせたのではないかと思う。
それは、一時の感情や理屈では語ることは出来ない。存在はなくても、事実はある。
そのことが心の中で育ち、強くいられるのだろうか。

私のごく親しい友人は、愛する人への強い想いを胸に今日を生きている。もう長い間、相手からの音沙汰はない。
それでも、無理にその想いを持ち続けようとも忘れようともせず、自然に生きている。
私は彼女の胸の中にあるものと同じものを4人の子供達に感じた。その想いは何より強くて美しい。

目に見えないものを大切に生きようと思う。
『誰も知らない』が教えてくれたことはまだまだ整理しきれずに私の中にある。
きっと少しずつわかるときが来ると思う。また観たいと思う。

青空
2005年1月24日 spring


映画を見て、かわいそう・あんな親にはなってはいけないという事よりも、まず今の自分が手にしているものがいかに尊いか、同時に薄いか、改めて考えさせられました。私も、自分ではどうにもできない・逆らえない境遇の中にいたことがありました。その時やはりその時間を共有できる家族がいたから、以外と楽しかった記憶があります。それは人に言えないくらいみじめな生活でしたが、その中で共に喜びを見つける事で、家族の強い強い絆が確立された、貴重な体験でもありました。助けてくれる人はいないと分かった時、強くならざるを得ない。だからこれは偉いとか言うことでもなく、ただ、ひたむきに運命を受け止めながら生きることの中にある美しさをうたった映画だと思います。私はいつもつらい時、今体が健康に機能していて、お日様が空にあるのに、何が不自由だというのか、という底辺の思考に帰ります。そんな気持ちに久しぶりになれました。

みました!
2005年1月24日 NAOKO


昨日会社の先輩と見に行きました!どうしてもDVDになる前にスクリーンで見たかったので。ホントピュアやさしくってそれでいて、とっても残酷な現実。見たあとすごくやさしい、悲しい気持ちになりました。
是枝監督の映画を海外に住んでいたときに見に行ったことがあります。こんな繊細な日本人の心ってほかの国の人に分かるのかなって思いましたが、人種を超えて人を感動させることができる監督はすばらしいなって思いました。

価値観から切り離された感情
2005年1月22日 pugy


僕は美しいモノが好きだ。誰かが何かを信じる時、こういうものが善悪や正否という価値観で語られるのは仕方がないことなんだけれども、その一方でその感情それ自体の美しさ、それを否定してしまうから世の中はおかしくなってしまうような気がする。
例えば、犯罪者の親がそれでも自分の子供を信じる気持ち、女性がホストに貢いでまで愛を信じる気持ち、周りがどんなに黒いと言っても白いと信じる、そんな風に人が人を信じる時、僕はそういうもの自体の美しさを踏みにじりたくないし、踏みにじられたくない。
こんなことを言うと、「なに甘いこと言ってるんだこのガキが」と蹴っ飛ばされちゃう世の中なんだろうけど、それでもそういう美しさを僕は大事にしていきたい。強くなんかなくていい、弱いままでいい。信じる気持ちを失わないで、そうやって生きていこうと思う。「誰も知らない」をNYの美術館、MoMAのプレミア試写会で観て、改めてそう思った。

おめでとうございます
2005年1月18日 千司 澪


キネマ旬報ベストテンでの日本映画ベストワン他5部門受賞、おめでとうございます。沢山の人がこの映画を認めてくださったこと、とても嬉しく思います。
まだまだお忙しい日々が続くかもしれませんが、頑張ってください。次回作も今から楽しみにしています。けれど頑張りすぎずに、お身体には気をつけてください。

北米での成功を祈っています!
2005年1月17日 瑞穂


はじめまして
私はNY在住の日本人です。「誰も知らない」の北米での成功
を心から期待しております。私はアメリカ生活を10年ほどしていますが、今のアメリカの若者は、人間の命の尊さや重さがいったい何なのか、考えるのに苦しんでいるように感じます。想像力にかけると言ってもいいと思います。

私が「ワンダフルライフ」をNYのフィルム・フォーラムで見た時は忘れていたことを思いだした!という感覚におそわれ涙が止まらなくなりました。(泣きながら家に帰ったのを覚えています。)
一日、一日を噛み締めて生き、自分の命と他人の命に感謝することを考えさせられました。今のアメリカにはそのような映画が必要だと思っています。今度の映画でも、命の大切さが心に響く内容だと期待しています。

これからも頑張って下さい。

PS このサイトに書いてある是枝さんのメッセージに対して
  (イラク自衛隊派遣など)色々返信したいこともあるので
  また書きます。

2回目の書き込みです
2005年1月16日 わたあめ


こんにちわ。
私が「誰も知らない」を見て、もう4ヶ月がたとうとしています。
私がこの映画に出会ってもう4ヶ月たったのです。
世界でどのくらいの人がこの映画を見たのでしょう。
どのくらいの人がこの映画の内容を知っているのでしょう。
今も絶えない子供への虐待。私たち子供はいつ安心してすごせばいいのでしょうか。
この映画は実際にあったことをもとにしてつくられているのですよね?
最後の最後まで生きることをあきらめず、精一杯生きようとしているこどもは世界にはまだたくさんいるのです。
そんなことにも気づかずにすごしている人もたくさんいるのです。
どうか、このメッセージを見た人から、いえ、この「誰も知らない」という映画を見た人から気づいてください。
少し目線を下に下ろして子供たちを見てください。
精一杯いきている子供たちを見てください。
そして気づいてください。私たち子供が未来で輝けるように、1人1人生きていることがどんなに素晴らしいことなのか気づけるように、今この時代を平和にしてください。世界が1つの家族になれるように。お互いがお互いに優しくできあえる時代にしてください。

ありがとうございます
2005年1月16日 菅井まゆみ


「誰も知らない」を見終わったとき、私は子どもたちの背中に向かって「決めたんだね」と、声をかけたくなりました。生きていくことを、生きていく相手を決めたように感じたからです。
 その頃、私はまだ自分の問題に決着をつけられないでいました。でもあるとき、気がついたのです。私は、自分は一生懸命やっているのに、と思い、こうなったらいいのに、と願ってばかりいたのではないか、と。私も「決めて」生きていこうと思いました。そうす
るとなんだか突然、「タテタカコさんのライブがしたい!」と思ってしまったのです。「ライブに行けばいいじゃん」と、娘は言いました。でも、私にはお客さんになることではなく、自分の町でやることに意味がありました。自分の中に生きている自分を信じてみることにしたのです。こんな突拍子もないことを、タテさんたちも、友だちも受け止めてくれて、ライブをすることができることになりました。
 「誰も知らない」という映画に出会えたことに感謝しています。
 ほんとうに、人生はなかなか捨てたものではありません。ありがとうございました。

是枝裕和 様
2005年1月16日 ナナ


映画館で同じ映画を何回も観たのは初めてです。
なのでDVD化がとてもとても楽しみです!

疑問に思っている事があります。
どこかでお答えが伺えれば幸いです。

1年という長い撮影中、子役のみんなへ
髪の毛をきらないでとか、太らないで、等
外見的な要望というのはおありだったのですか?

数ある商店街の中でも高円寺を選んだ理由は何ですか?
いつか撮影したいと思っている街はありますか?

昨年はこの映画のことを、かなり多くの時間、考えていました。今後、自分で2004年を振り返った時は、真っ先に浮かんでくるで
あろう、そんな出来事です。

寒い日が続きますが、お体大切になさって下さい。
NONFIX、楽しみにしています。

From Webmaster:
演出の都合上、髪の毛を切らないようにというお願いは撮影時にしていました。商店街や街並みに関しては、都内の様々な場所で撮影されています。


おめでとうございます!
2005年1月13日 もと


キネマ旬報ベストテン第1位&YOUさん助演女優賞おめでとうございます!キャストの皆さんがまさに「適材適所」だったんですね。監督の作品の中でも、とにかく好きです。一番好きです。優しい時をありがとうございました。

よくわからないイタミ
2005年1月12日 はり


私は子供を持った経験がないのですが、作品を鑑賞中ずっと胸を刺されているような気持ちでいました。
なんだろうこの痛みは・・・ってずっと考えました。
大人たちの勝手な都合?子供たちのひた向きに生きる姿?言葉にしてしまうとうすっぺらくなってしまいます。
このイタミを感じながらもう一度鑑賞したいと思います

無題
2005年1月6日 棚口


誰も知らないを見ました。
DVDは、コンビ二でも発売するのですか??
私の家のちかくには、コンビニしかありません。
だから、少し不安になって、書きました。

From Webmaster:
コンビニエンスストアで入手可能かどうかは店舗によると思いますが、インターネット通販でご購入していただくことも可能ですので、よろしければそちらもご検討ください。


最高!!!
2005年1月6日 家良


Hi. 私はSingaporeからきました。
[誰も知らない]は最高でした!!!

泣きました☆
2005年1月5日 まこ


『誰も知らない』拝見させていただきました!!
4人の子供達の、あの自然な演技にとても感動しました。
そしてお母さんが出ていってから、明が家計簿を書いたりしてる場面などで、もし自分が明だとしたら、こんなに弟や妹を自分1人だ
けで育てていくことはできないだろうなぁと思いました。
本当に感動のひと時でした!!!
映画関係の方々、本当にありがとうございました。
そして柳楽優弥君、カンヌ映画祭男優賞おめでとうございます。
みなさん、これからも頑張ってください。応援しています。

「誰も知らない」について
2005年1月3日 S.O


「誰も知らない」の感想について書きます。

子供達を見つめる監督の視線がとても厳しい、と感じました。いや実際は、厳しくもなく優しくもなく、子供達の日常生活をただただじっと見続けているのだと思います。でも、そうすることによって、周囲の大人達・子供達の残酷さがくっきりと浮かび上がっているように思いました。これまでの監督の作品はどんなに重い題材を選んでも、どこか登場人物に共感し、登場人物の気持ちに寄り添っていこうとする優しさがあったように思います。でも本作は違います。主人公の子供達は、過去の思い出を振り返る余裕なんか全然なく、なんとか生き延びようと必死です。そんな子供達の日常生活のズレから生じる「違和感」をとてもリアルに描き出していると思います。見終わった後ズシリと心に重くのしかかる問題作だと思います。ただ終盤、女子中学生と一緒に行動するようになって以降、草野球のエピソードも含めて、映画の雰囲気が少しずつ優しくなっているように感じます。ハッピーエンドじゃないけど、でもこの優しさがあることですごく救われる思いがします。

9年前に「幻の光」を見て以来、是枝監督の映画が大好きで、ずっと見続けています。今回の作品も、これまで以上に重く感じましたが、でも素晴らしい映画だと思います。本当にありがとうございます。次回作も期待しています。

映画を見て
2005年1月2日 あこ


こんにちは(´▽`)
『誰も知らない』見ました☆彡
私は柳楽君と同い年なんです!!
しかも誕生日が1日違いで、それからだんだんと
柳楽君のファンというか、応援したい!!という気持ちがとても溢れてきました☆
私と同じ歳なのに、柳楽君は世界ですごく活躍していて、とっても尊敬しています☆
私はこれから受験で大変です。
でも柳楽君はもっと大変だと思います。
なので、これからも柳楽君のことを同じ歳という共通点を持つ私から、もっと応援していきたいなって思ってます☆
がんばってくださいね(・U・)ノ

メイキングDVD、見ました
2005年1月2日 Y.Moriyama


本編を見てから、だいぶ経つのに、一つ一つの場面が鮮明に蘇ります。
そんな中、メイキングDVDを購入、拝見いたしました。

なんて心の温まる“メイキング”でしょう。

常に子供達のペースを大切に、監督は状況説明とポイントだけのアドバイスで、本当に子供達がそのままのキャラクターで、セリフも“自分の言葉”で表現されていて、まさしく“ドキュメンタリー”映画でしたね。
どの子も愛さずにいられない、監督の想いが伝わってきて、胸が温かくなりました。

私の中で、たくさんのステキな想いが溢れています。子供達一人一人、ぎゅっと抱きしめて頬ずりしたい想いで一杯です。

最後に柳楽優弥君が嗚咽をこらえながら、しゃくり上げていた姿が、焼き付いて離れません。
彼が何を感じていたか、本当のところは彼しかわからないでしょうが、その“想い”はとても“尊いもの”だったと思います。その想いをずっと大切にして、ステキに成長して欲しいです。

そして、是枝監督の人間性の素晴らしさを感じ、これからもステキな作品を作られますことを願っております。

無題
2005年1月2日 Weidong


I don't really understand the Japanese in this webform (I'm Singaporean, you see) but I'd just like to say I loved this film. It's powerful, emotive and touching. At some points, I almost cried. Thank you for making such a brilliant film. And giving me a beautiful end/remembrance for 2004.

これは僕の記憶です
2004年12月31日 shirokazu


別に、僕はあのとおりの経験をしたわけではありません。ただ、なぜか、「自分の記憶」でした。
映画の中に自分の人生があちこちに散らばっている、そんな気がして、忘れられません。
観ていたあの時間、僕は自分の人生そのものを振り返っていました。
生まれて初めて、映画の挿入歌(タカタカコさん)というものを買いました。
生まれて初めて、映画のDVDも買います。(予約済み)
すごい映画です。ありがとうございました。

メイキングを見ました
2004年12月31日 Miwako


映画を見に行ったのがとても暑かった8月。今までに観たことのないような映画でした。感想を言葉で表すのが難しい。ただ、シンプルに言えば、好きな映画でした。
雪が降り積もりとても寒い今年最後の今日。メイキングDVDを発見!柳楽くんの最後の嗚咽をあげながらの泣き顔が、とてもステキでした。あなたの純粋な気持ちが伝わってきました。
ステキな映画をありがとう。

YOUさん
2004年12月29日 堀


YOUさんのあったかさが、すごく出てる映画だと
思いました!!!めっちゃ、尊敬してます!!
YOUさんだから、子供をすててく悪いやくなのに
全然、悪い気がしなくて。はやくビデオみたいです!
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