2003年9月25日 渋谷シネ・ラ・セット
ティーチイン

Q: 伊勢谷さんはどういう方なんですか?
是枝: すごく真面目な言いヤツですよ。本当に真面目ですよ。現場でメイキングを回してたんですけど、見なおしてみると、演出しながら「そこさくっと」とかね「スパっと」とかね、抽象的な指示が多いの。本人も驚いてた。頭の中では明快なイメージがあるみたいなんだけど・・・周りは大変なの。
寺島:

彼が一心不乱になってるの見るとね、俺もオヤジになったなぁと思うんだけど、こいつのために一肌脱ごうかなとそういう気持ちにさせてくれるんだよね。そういうのも才能だよね。

加瀬: モニター覗いてる横顔がスッゲーかっこいいなと。あと、役者として出演もしてたんで、演技の面ですごく苦しそうなところを見たら応援したいな、なんとかしてあげたいなと思いました。
寺島: 監督は奥ゆかしい人だよ。

Q: アドリブは多かったんですか?
寺島:

俺は車でのシーンだけ。そこだけですね。あとは脚本にありました。

加瀬: 僕もほとんど台詞通りです。
僕は3年前ぐらいに「みすず」という映画で寺島さんと会ったんですけど、当時みんなに芝居を認めて欲しくて多分分かりやすく大きくやってたんですけど、寺島さんは自然な感じで芝居をしてて。で、僕のやりすぎな方言を聞いて・・・言葉は正確じゃないかもしれないですけど、「加瀬君、気持ちだからさ」ってそんなようなこと言ってくれて。
寺島:

えらそー(笑)。

加瀬: それが今でも結構残ってて、いろいろ考えてやるより気持ちを持ってやろうと。
是枝: 屋上のシーンはテーマだけ決めてあとは自由にやってましたけど、ポイントポイントしかフリートークはやってないよね。きちんと脚本通りにやってたと思う。